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プチ花図鑑 vol.1「ナツトウダイ」

トウダイグサ科。

始めて見たときはその奇抜な佇まいに目を疑った。デザインの仕事でいかにも的なデザインはこっぱずかしくて普通は避けたいものだが、たまに素人がこのいかにも的なデザインを直球ど真ん中で繰り出して、ウケたりする。そんな素人のデザインっぽい植物に見えてしまう。夏燈台だが、花は春に咲く。そろそろ咲いているはず。

プチ花図鑑 vol.2「タケシマラン」と「オオバタケシマラン」

ユリ科タケシマラン属。

右が小さい小さいタケシマラン。超プチUFO。見つけるとニヤっとしてしまうほど目立たない。 一方のオオバタケシマラン。こちらも目立たないが彼らなりのこだわりが、花の柄がくりッとねじれているところ。こちらも見つけるとニヤけてしまう。

プチ花図鑑 vol.3「タニギキョウ」と「ヒメイチゲ」5/29更新

右がヒメイチゲ。左はタニギキョウ。どちらも1センチほどの小っさい花。てっきりどちらもヒメイチゲと思ったらどうも、 葉っぱの形が違う。タニギキョウは丸い葉っぱ、ヒメイチゲは細く鋭い葉っぱ。花ばかり見ていると見分けが付かない場合が多いので、 記録には必ず葉っぱの写真も心がけたい。谷さんがキキョウ科で姫様がキンポウゲ科

プチ花図鑑 vol.4「シラネアオイ」6/3更新

シラネアオイのシーズンも山域によっては終盤。その蕾は大事そうに葉っぱに包まれて地上に送り出される。 まるでかぐや姫のよう。後から出てくる他の葉っぱは切れ込みが入るがこの葉っぱだけは、丸い形。 大事に守った蕾が花となり受粉して散ってなお、その丸い葉はそこに留まる。よく見ればそこには、花が残した実が二つ並んで実っているのだ。

プチ花図鑑 vol.5「ムシトリスミレ」6/5更新

スミレとその名は主張するが、タヌキモ科のムシトリスミレ属。ぱっと見はスミレっぽいが花びらの作りからして全然違う。ははあ、さてはこの 袋状の花びらに虫を誘い込んで食べるのかと思いきや、名前の由来は葉っぱにある。長い楕円形の厚ぼったい葉っぱに粘膜があってそこから虫を捕まえて 消化するのだそうだ。葉っぱは栄養吸収係、花は子孫繁栄係ときっちり分業されているようだ。亜高山帯〜高山でその分業っぷりが見られる。

プチ花図鑑 vol.6「ミヤマキンバイ」6/9更新

バラ科キジムシロ属。黄色い花は苦手だ。特にこのキンポウゲだのキンバイの類いが行く手に現れると、 あれ?確か前に名刺交換したよなあ、はて誰だっけ状態。お顔は覚えているんですが・・・という気まずい思いがこみ上げる。ミヤマキンバイは花弁がキュートなハート形。そして葉っぱは苺の葉っぱに似ている。なのにいざ山でばったり会うとあれ?シナノキンバイ?キンポウゲ?なかなか名前と顔が一致しない。そんな時は「シラネキンバイ」と言うのだそうだ。知らねキンバイ、と。

プチ花図鑑 vol.7「タマガワホトトギス」6/12更新

ユリ科。県によっては絶滅危惧種。初めて見た時はそのお祭りのような姿に衝撃を受けた。「ホトトギス」と名前を教えられてさらに驚きの声を上げたことを覚えている。 確かに南国のトリのオスのような派手な花だ。だがしかし、ホトトギスって特許許可局のあのホトトギス。確か物悲しい兄弟の昔話にも出てくるあの地味な不如帰。漢字で書くとますます物悲しい。調べると、胸の横縞の模様が花びらの模様に似ている(わずかに)のが名前の由来なのだとか。私的にはこの花はタマガワ極楽鳥だな。

プチ花図鑑 vol.8「アオヤマボウシ」6/16更新

ヤマボウシのお仲間、アオヤマボウシ。この時期いやでも目に着く白く大きなヤマボウシの半分ぐらいの大きさで、なおかつ色が緑なものだから、なかなか見つけにくい。花弁のように見える4枚は総苞片といって蕾をつつんでいた葉っぱ。花は中央の丸っこい部分だ。ヤマボウシのびろっと大きい白い総苞片は何だか無表情に見えて、私には不気味に思えてならないのだが、こちらのアオヤマボウシはどこか愛らしいのだ。

プチ花図鑑 vol.9「ギンリョウソウ」6/19更新

ツツジ科ギンリョウソウ属。漢字では「銀竜草」。花の形が竜に似ていることが名前の由来。別名「幽霊草」。薄暗い腐食地に、うつむいて咲く姿は優美な銀の竜というより「うらめしや」がしっくりくる。何かの漫画でギンリョウソウの下には死体があると書かれていたのを私は鵜呑みにしていて、天気の冴えない一人歩きの山の中で初めてこの花を見つけたときぎょっとしたものだが、気がつけばあちこちにこの花がうつむいているではないか。こんなに死体が埋まっているのはおかしいと、ようやく真実を知るに至った。

プチ花図鑑 vol.10「ミヤマシオガマ」6/23更新

ゴマノハグサ科。明るいくっきりとした紅色の花と、細かく切れ込んだ葉っぱがワサワサとしてゴージャス感がある。花は茎の上部にこんもりと集中して咲く。見た目も名前も似た花のヨツバシオガマの方は、葉っぱがもう少しあっさりとしていて、茎を中心に4〜5個くるりと輪生しており、ミヤマさんとの明確な違いとなっている。と、知ったようなことを書いているが、先日の焼石岳で初めて知った花。

プチ花図鑑 vol.11「モウセンゴケ」6/26更新

モウセンゴケ科。食虫植物。日当りのいい湿った場所、沢壁などで見かける。ホワホワと生えた赤い毛からネバネバを 出して虫を捕らえる。湿原や沢などでは不足し勝ちな栄養素をこうして虫から得るのである。 この植物は食虫の葉っぱの部分ですでにキャラが濃いので満足して眺めていたのだが、なんとこんなかわいい花が咲く。 しかも5〜6ミリのちっさい花。あまりにキャラ立ちした葉と可憐な花のギャップが大きくて、てっきり別々の植物かと思っていた。

プチ花図鑑 vol.12「コケイラン」6/30更新

ラン科。アップにすれば、立派なランなのだが、登山道で行き会うコケイランは あまりに小さくて地味で、見向きもされないことが多い。登山中、歩きながら見れば、この花の茶色い部分しか見えず、ともすれば 何かの花が枯れているんだろうと通り過ぎてしまい勝ちだ。小さいがために分かりやすい華やかさがないのだが、立ち止まって目線を合わせて覗き込むと、そうやって見ようとした者にだけこの手の小さな植物は、見事な造形美と粋な色合いであることを教えてくれるのだ。

プチ花図鑑 vol.13「オオウバユリ」7/3更新

ユリ科。ウバユリ属。山では様々な植物に感心させられるが、このオオウバユリのでかさには思わず車を停めてかけよったほど驚いた。山中よりもアプローチ中によく見かける。人の背丈ほどの高さになり、四方八方に大きな花が段々になって付く。ユリといえば優雅で気品のあるイメージだが、この花には突き抜けた豪快さがある。なぜこんな威勢のいい花が「姥」なんだろうと不思議だったが調べると、花が咲く頃には「葉」が落ちてしまうので「歯のない」姥にかけたのだそうだ。名付けた人はきっと、オヤジギャク連発のひんしゅくおやじだったことだろう。

プチ花図鑑 vol.14「カラマツソウ」7/7更新

キンポウゲ科。カラマツソウはミヤマ、モミジ、アキなどを冠する仲間が多く山で出会ってもその名前を自信を持って口に出来ずにモヤモヤさせられる。見分け方の一つが托葉の有無で、カラマツソウには茎と葉柄のところに小さい葉がある。これでミヤマと区別が付く。花のようにみえるホワホワは花ではなく雄しべの柄。アップで見ると先っぽに雄しべがあるので、山へ行ったならぜひマジマジと見て確かめてくださいな。

プチ花図鑑 vol.15「アカモノ」7/10更新

ツツジ科。日当りのいい登山道を歩いていると、その脇に釣鐘状のコロコロとしたかわいい花をよくみかける。薄桃色のぷりっとした花と 赤い咢のコーディーネートがとてもキュート。別名を「アカモノ」と言い、その由来は赤い実から「赤桃」と呼ばれ、訛って「アカモノ」になったそうな。登山中、よくこの赤い実を口にする。「桃」というよりはリンゴの味に似た爽やかな甘みと酸味がある。

プチ花図鑑 vol.16「ホソバイワベンケイ」7/14更新

ベンケイソウ科。華やかではないもののそれなりにかわいらしい花なのだが「弁慶」というゴツい名前を持つ。由来はその強靭な生命力にあるようで、枝や茎を切っても簡単には枯れないのだそうだ。 その強さから弁慶の名が付けられた。生えている場所は風当たりの強い岩礫地。過酷な状況下で生き抜くタフな花なのだ。雌株と雄株に別れていて、写真の赤い方が雌。受精すると子房が赤くなる。受精前は黄緑。もう一方が雄。ホソバイワベンケイは名前の通り葉が細い。丸っこい葉であればイワベンケイ

プチ花図鑑 vol.17「オオナルコユリ」7/17更新

ユリ科。高さ80~130センチにもなる。こう書くとさぞや見上げるような大きな百合かと思えるが、実際はだいたいが葉と花、もしくは実の重みで 登山道脇に半ば行き倒れている。釣鐘状の花は、きれいに開花する頃はかなり重くなっているうえに梅雨どきであったりするので雨の重みでますます頭を垂れ、 なかなか見る機会がない。てっきり花の先はすぼんだままだとすら思っていたが今年、行き倒れているオオナルコユリを起こしてみると、なんと、かわいらしく花びらが開いていた。7月も下旬になると花から緑色の実となり、夏の終わり頃までには黒く熟しはじめる。

プチ花図鑑 vol.18「オニノヤガラ」7/21更新

ラン科。高さ1mにもなる大きなランだ。マイナーな山道など歩いているとときどき、登山道の脇や下手すれば真ん中にのっそりと突っ立っている。葉はない。光合成はしない。ナラタケ属の菌に寄生してそこから養分をもらってここまでデカく育つのだ。こんなデカいランに寄生されたら堪ったもんじゃないだろうと心配するのは早計だ。ナラタケは史上最大の生物と言われ、地表に出ているキノコは彼らのごく一部。本体は菌糸として森の地中に張り巡らされ、その範囲たるや15haにも及んだという報告もある。このランの漢字表記は「鬼の矢柄」。鬼が持っている矢に例えられているとのこと。

プチ花図鑑 vol.19「ツルアリドオシ」7/24更新

ラン科。茎が蔓状に伸びて地面を這い、花は上から見れば1センチほどだが横から見ると筒状に思いのほか長くて驚かされる。そしてその花はひとつのガクから二つ並んで伸びて咲く。右の画像はつぼみだがひとつのガクから二つ伸びているのが分かると思う。実には二つの突起があり、かつて花が二つあった名残をとどめる。名前はアリドオシという別の植物に花が似ていることに由来する。アリドオシランという植物もあるがこちらも同じ事情で名付けられていて、ややこしい。私はしばらく「ツルアリドオシラン」とごっちゃにして勘違いしていた。

プチ花図鑑 vol.20「ミヤマハンショウヅル」7/28更新

キンポウゲ科。亜高山帯から高山帯に生える。写真は秋田駒の生保内コース稜線のもの。カタカナ記載の名前からてっきり飛翔する鶴に例えられためでたい花だと勝手に解釈してありがたがっていた。が、よくよく調べたら漢字表記は深山半鐘蔓。名前は、火事のときに鳴らす半鐘に花の形が似ていることに由来するのだそうだ。花の形が似ている、と言われるその花びらのように見られ勝ちな部分は実は。この咢の中を覗くと、雄しべを取り囲んでちゃんと花びらが奥ゆかしく控えている。ぜひ山で見かけましたら、じっくりと覗きこんで「花」を確認してみてください。

プチ花図鑑 vol.21「ホツツジ」と「ミヤマホツツジ」7/31更新

ツツジ科。どちらも似たような花で、似たような時期に咲く。花びらが3枚、後ろへくるんと強く反り返って丸まる。突き出た雌しべまでがくるんと丸まるのがミヤマホツツジ。亜高山から高山帯に生えていて高さが30〜50センチほど。一方、雌しべが丸まらないのがホツツジ。ミヤマホツツジより標高が低い山地に生えることもあり、高さは1〜2mほどになる。名前の由来は花が穂状に付くツツジだから。小さい小さいツツジであるが、ツツジ科らしく有毒である。子どもの頃など毒があるとは知らず、学校の花壇のツツジの花を抜いては蜜を吸ってたっけ。丈夫な子どもで良かった。

プチ花図鑑 vol.22「アクシバ」8/4更新

ツツジ科。山地から亜高山帯の林床で見かける。高さは30センチから1mほどの低木だ。「森吉山の花図鑑」でこのユニークな姿を知り、 そのクルンとまくれた花弁と突き出た雄しべがかわいらしく、いつか見たいと思っていた花だ。先日の山歩きで足元に咲いているのを偶然見つけた。とにかく小さかった。高さにして20センチもなく花は1センチぐらい。名前は漢字で灰汁柴。燃やした灰を灰汁抜きに使っていたらしい。名前の由来は、青木柴が訛ってアクシバになった説と、灰汁を作っていた柴だから灰汁柴になった説とがあるらしい。

プチ花図鑑 vol.23「ショウキラン」8/7更新

ラン科。主に日本海側の亜高山帯にいるらしいが私がこの花に出逢うのはいつも沢登りのときだ。華やかな見た目に似合わず、何かの草の影にひっそりと佇んでいる。そのどこか影のある在り方はたぶん、ギンリョウソウ等と同様に菌類に寄生する腐生植物だからだろう。名前の由来は烏帽子を被った鍾馗(しょうき)様にその花が似ているからだという。鍾馗様は日本では厄よけの神様として掛け軸や襖などに描かれる。ボウボウとした髭と髪とギョロ目の神様で、確かにこの花にその姿を重ねられなくもないが、だがしかし、このピンクの湿っぽい花と鍾馗様とはとても距離を感じる私である。

プチ花図鑑 vol.24「ウメバチソウ」8/11更新

ユキノシタ科。5枚の花びらと5本の雄しべ。この雄しべははじめ折り畳まれていて、一日に一本ずつ立ち上がる。その雄しべの間には線状の仮雄しべがある。見た目が分かりやすく、ウメバチソウの判別などチョロいなと思っていたが、案外ややこしい花であった。というのもウメバチソウには、良く似たエゾウメバチソウとコウメバチソウがあり、その見分け方は仮雄しべが何本に分裂しているかによる。ウメバチソウは約16〜22、エゾは9〜14、コウメは7~8つに分裂するのだそうだ。なんと、これでは登山道脇で安易に物知り顔などできそうにない。ルーペか何かで仮雄しべを数えてはじめて「これはウメバチソウ」と講釈を垂れることができるのだ。

プチ花図鑑 vol.25「サワギキョウ」8/18更新

キキョウ科。8〜9月、草地や山地の明るい湿った場所に咲く多年草。お茶の席などでも目にする美しい山野草だ。 しかし美しいものには裏があるようで、この植物には毒がある。金田一耕助シリーズの横溝正史「悪魔の手鞠唄」では「お庄屋ごろし」と呼ばれる毒草で登場する。がしかし、物語で恐れられるほどにはその毒性は強くないようだ。そしてもう1つ この花の面白いのは雄性先熟という性質を持ち、先に雄しべが花粉を出す雄花期と、その後に雌しべが出てくる雌花期があるのだ。ひとつの花で雌雄の時期をずらすことで、自らの花粉による受粉を避けることができる。キキョウの他に、身近なところでオオバコやヤツデも雄性先熟だ。雄しべ期から雌しべ期への移り変わりの観察、夏の宿題にいかが?

プチ花図鑑 vol.26「ダイモンジソウ」8/21更新

ユキノシタ科。7~10月にかけて、湿気のある岩場などで見られる多年草。花の色は白からピンクまでさまざま。 名前の由来は花が「大」の字に似ているためであり、山で見かけるとなるほどその花に「大」の字が描かれていて、初心者でも 簡単に見分けられる。中にはかなり達筆な大の字もあってついついどの大が一番「大の字」らしいか見入ってしまう。 近い仲間でジンジソウという種もあるようで、こちらは人という字に似た花が咲く。残念ながら東北にその人はいない。

プチ花図鑑 vol.27「ミヤマリンドウ」8/27更新

リンドウ科。7~9月に咲く多年草。ミヤマとつけばだいたい高山の植物で、この花も然り。リンドウといえばエゾリンドウなどの ようにもったいぶった開花っぷりが印象的だが、こちらは小さいながらもぱっと潔く開花する。良く似た仲間にハルリンドウや タテヤマリンドウがある。ハルリンドウは名前の通り春に咲くので見分けは簡単だ。タテヤマリンドウはハルリンドウの 高山バージョンで、立山以外にも咲くからやっかいだ。分かりやすい見分け方は、ミヤマの方は5つに裂けた花びらの間に さらにギザギザの副片がある。このギザがない変形バージョンが飯豊山特産のイイデリンドウとなる。

プチ花図鑑 vol.28「ヤマジノホトトギス」9/2更新

ユリ科。秋田では8月中旬から9月に、山野の日当りの良くない樹林下に咲く多年草。黄色バージョンの タマガワホトトギスは沢登りや薮こぎ中など、比較的山奥で見かけるがこちらは里山に生えている場合が多い。形はすばらしくハデではあるが、さながらヒョウ柄を連想させるタマガワの、黄色地にホトトギス柄に比べると、ヤマジのほうは白地にシックなえんじ色のホトトギス柄でやや大人なイメージ。

プチ花図鑑 vol.29「ミヤマアキノキリンソウ」9/4更新

キク科。8〜9月に亜高山〜高山帯に咲く多年草。キリンソウのキリンは私などは首の長い動物が思かぶが、 もう少し学のある人またはビール好きは麒麟というめでたい想像上の生物が思い浮かぶだろう。名前の由来は ベンケイソウ科のキリンソウに見立てたもの。その本家のキリンの由来は諸説あるが別名が「キジンソウ」または 「キジグサ」で「傷薬の草」。これが訛ったのではないかとも言われる。もちろん麒麟説もあるし、一方で黄輪草、 つまり黄色い花が輪になって咲く姿に由来する説もある。

プチ花図鑑 vol.30「クサボタン」9/8更新

キンポウゲ科。1〜2センチの釣鐘状の花。花弁にしか見えない釣鐘は実は萼片で、よく見れば確かに釣鐘の付け根には、いかにも的な萼(がく)がない。また、雌雄異株でこの写真は雄花。雌花は釣鐘の長さがもっと短い。私は、雌雄別々とは知らずに雌花を「栄養状態の悪そうな小さいクサボタン」と認識していたため、写真を撮らずにスルーしていた。クサボタンはまくれ上がった萼(がく)がもっとまくれて取れてしまうと、中の花柱の毛が広がって写真のような姿になる。あの毛もじゃの奥にコンペイ糖のような形の実ができている。

プチ花図鑑 vol.31「サラシナショウマ」9/11更新

キンポウゲ科。ちょうど猫のしっぽサイズで何だかかわいらしい。花は雄花と両性花がある。両性花ならば中央に雌しべが3つほど あるのだが、この写真の花は雄花のようで雌しべは見当たらなかった。名前は昔、この若菜を茹でて水にさらして食べたことに由来するとのこと。というのもこの植物、有毒なうえに葉がとても臭いのでその毒抜きとニオイ取りのために水に晒したのだとか。毒は使いようでは薬になる。この根を乾燥させると漢方の升麻となるそうだ。ちなみに葉をかいでみたが、そのままでは特に悪臭は感じられなかった。

プチ花図鑑 vol.32「アケボノソウ」9/16更新

リンドウ科。9〜10月、湿原や小川のほとりなどで見かける2年草。1年目は葉だけで過ごし、2年目に茎を伸ばして 2センチほどの花を咲かせる。名前の由来は花びらにある2つの黄色い丸い模様で、これを夜明けの星に見立てたそうだ。そう言われて 見れば、先端の細かな黒い点は明けゆく闇の名残にも思える。この花の写真を撮ろうとすると、蟻が花びらをうろうろして なかなかどいてくれない。この花の明けの明星はどうやら蜜を分泌するようで、そこにやってくる昆虫を介して受粉をする仕組みのようだ。 人も蟻もこの星に魅了される。

プチ花図鑑 vol.33「ツリバナ」9/18更新

ニシキギ科。花が咲くのは初夏ではあるが、ごらんの通り緑色の小さい地味な花なので昆虫にはともかく 人間にはほぼスルーされている。それでも5枚の花びらの、均整の取れた小花が頭上にぷらぷらと揺れる様は何ともかわいらしく 私は好きだ。この植物はむしろ実のほうが花よりも華やかだ。赤い仮種皮が割れると、5個の朱色の種子がぶらんぶらんと垂れ下がる。 ツリバナは北海道から九州まで広く生育し、日本海側にはこれよりやや大振りのエゾツリバナがある。

プチ花図鑑 vol.34「ヤマトリカブト」9/23更新

キンポウゲ科。有毒植物の真打ちと言ったところか。見れば目も覚めるような深い青で美しい花なのだが、 毒のイメージがあまりに強く、 登山道で見かけるとちょっと緊張してしまう。毒性分はアルカロイドのアコニチンだそうで トリカブト全草にこの毒が含まれる。なんと蜜や花粉にも中毒例があるそうだ。 経口から数十秒で死に至るとも言われる。 その一方で漢方では附子(ぶし)という薬用に用いられる。毒として用いる場合はぶすと呼ぶのだそうな。 てか、ぶすとして使っちゃイカンでしょう。

プチ花図鑑 vol.35「ツリフネソウ」9/25更新

ツリフネソウ科。黄色バージョンのキツリフネと花の形は一見そっくりだが、葉っぱの形など相違点が多い。 なによりも花の後ろに伸びる距の先端がクルンとまくれるのが、キツリフネには ないチャームポイント。このクルンの中に蜜がたくさん溜まっている。訪れる蜂などは、このクルンを目指して花に潜り込み 花粉をたっぷりまとって次のクルンへと飛び回り受粉が媒介されるわけだ。なかには頭のいい蜂もいて ダイレクトにこのクルンに穴をあけて蜜だけ頂いて行くのだそうだ。それに嫌気が差してか知らないが七時雨山麓の ツリフネソウはこのクルンスタイルを放棄して咲いていた。

プチ花図鑑 vol.36「センブリ」9/29更新

リンドウ科。15〜20ミリほどのかわいらしい花が云々と紹介するのはさておいて、苦い!とてつもなく苦い!別名を当薬という。 ドクダミ、ゲンノショウコと並ぶ日本三大民間薬のひとつ。名前のセンブリは「千回振っても(煎じても)まだ苦い」ことに由来するのだそうだ。 前日に飲み過ぎて胃がムカムカすると山仲間にこぼしたら、ちょうどいい薬草があるよと足元に可憐に咲くこの花の、細い葉っぱをちぎって渡された。 何も知らずに噛んでみてあまりの苦さに喧嘩になりそうだった。里山の明るい湿った場所に咲いている。見かけたらぜひその薬効を体験してみてください。

プチ花図鑑 vol.37「オトギリソウ」10/2更新

漢字では弟切草。花言葉は「怨み」。かわいらしい花に似合わずずいぶん重いものを背負わされたものだ。古来から切り傷、打撲の薬草として有名で、 その薬効ゆえに人の想いが絡みやすかったのだろう。弟切草の伝承は平安時代から伝わる。その昔ある鷹匠がいて、薬草で鷹の傷を治すことで 有名であったが、何の薬草を用いているかは誰にも話さなかった。しかし弟が薬草の名を漏らしてしまい怒った兄が弟を斬り殺してしまう。その弟の血が この薬草に飛び散り、花や葉に黒点として残ったのだ。オトギリソウを見かけたら、今なお消えないこの哀れな弟の血痕を確かめてみてください。ほら、ここに。。。

プチ花図鑑 vol.38「ママコナ」10/5更新

こういう花の形を唇形という。個人的にはSF映画のエイリアンが雄叫びをあげる姿が、この花に重なってならない。 名前の由来はこのエイリアンチックな唇形の花の、ちょうど雄叫びをあげて開いた口のなかに、米粒がふたつ乗っかっていることから飯子菜となったと言われる。なんともユーモラスな形だ。一昨年はじめて見たのは9月半ば。今年10月頭に見た同じ花は二回り小振りだった。シーズン終盤だからかと思ったが、この植物は半寄生で、根っこから他の植物の養分を拝借するらしく、その宿主がいないと全体に小さくなるようだ。

プチ花図鑑vol.39「ウサギギク」10/8更新 

イヌタデ、イヌツゲなどイヌの付く名の植物は多いが、それらが犬に似ているわけではない。 しかしこのウサギギクはウサギに似ていることに由来する。長らくどこが兎なのかと悩まされた。この花びらが兎の耳に見立てられたのだろうか。 私にはこの花から兎を感じ取る感性がないのか。そうやって花ばかり眺めていたのだがなんと、兎の発想は葉っぱにあるのだそうだ。茎の下部に 対になって伸びる葉っぱが兎の耳に似ていることに由来するそうだ。なるほど、岩がちな高山などでこの葉を見れば、岩陰から周囲を伺う兎の姿に見えなくもない。 ・・・かな。

プチ花図鑑vol.40「アケビ」10/14更新 

アケビ科。花はもう終わり収穫の季節である。里山などを歩いていて見つけられたらラッキーだ。 紫色になって成熟するとタテに割れ、開けてみれば葛餅をさらに柔らかくしたような、甘い胎座が黒い種を包んで現れる。 そしたら種をあたりにまき散らしながら仄かな甘みを楽しむのだ。山形あたりではこの厚い果皮を利用した郷土料理がある。 試しに私も調理して食べてみたがこれが苦い。ちょうどゴーヤのようなほろ苦さがある。食べ方もゴーヤのような調理が合っているようだ。 山で見かけたらぜひ、甘い部分だけでなく苦みも楽しめる大人になってみてください。

プチ花?図鑑vol.41「ナラタケ」10/17更新 

秋田ではサワモタシと呼ばれ特に県南部では、ハレのメニューである納豆汁にかかせない。秋の雨の翌日、倒木や枯木、切り株に群生する様は圧巻だ。傘は5センチ前後。肉薄。柄にはヒダがある。柄はボリンボリンと心地よく折れる。そのせいか地方によっては ボリボリという名で親しまれている。史上最大の生物とも言われ、その本体である菌糸は地中に張り巡らされており、その規模たるや15haにも及んだという報告がある。
※初めてのキノコ採りは経験者の同行が望ましい。有毒キノコの見分け方から採り方、処理の仕方まで教えてもらったほうが安心しておいしく食べられる。

プチ花?図鑑 vol.42「ヤマブシタケ」10/21更新

クヌギやミズナラなど広葉樹の倒木などに生える珍しいキノコ。名前の由来は 山伏の装束の胸のあたりにあるポンポンに似ていることからと言われる。味や香りにくせはないが、中国では四大山海の珍味のひとつで 宮廷料理に用いられるほど珍重されたようだ。その一方でこのキノコ特有の成分が、脳を活性化させ認知症の特効薬として 注目されているとのこと。歳をとったならば、このキノコを探して足腰を鍛えアタマの健康も保つという山歩きも悪くない。ま、 最近はスーパーでも入手できるそうだ。ツマラナイ。

プチ花?図鑑 vol.43「キクラゲ」10/24更新 

ブナやカエデなど広葉樹の倒木に生える。食感がクラゲに似ていることから木に生えるクラゲでキクラゲ。ヒラヒラの黒い姿は見間違えようがない。シロキクラゲといって半透明な ものもあり、こちらは数も少なく貴重。キクラゲは鉄やカルシウムが他のキノコより多く含まれ、また植物性コラーゲンがこのコリコリプリプリに含まれる。食感だけが 取り柄のように思っていたが、意外にも栄養成分がすばらしい。先日、山で採って山頂ラーメンの具とした。これぞ地産地消。

プチ花図鑑 vol.44「ヤブコウジ」10/28更新

ヤブコウジ科。花は7月〜8月頃で、この季節は実が見られる。高さ10〜20センチ程の低木なので実はともかく、 うつむいて咲く斑模様の白い小さな花はなかなか見つけにくい。別名を十両といい、縁起物としてお正月の寄せ植えなどで重宝されてきた。 名前からして千両、万両に比べるとずいぶん安いなと思われ、また実の着き方を見れば十両というよりは一両でないかと思う。 がしかし。江戸時代、明治時代にブームがあったようで明治時代などはひと鉢で家一軒ほどの値がついたそうだ。 そうなると十両では安すぎる気がしてくる。

プチ花?図鑑 vol.45「タムシバ(実)」10/30更新 

モクレン科。早春、青空をバックに咲く大振りな白い花はよく目立つ。その実は袋果に包まれていて 秋になるとこの袋が割れて赤い実が覗く。さらに熟すと糸を出してこの実がプランプランと風に揺れる。 じっと袋果にくるまっているよりも、動きがあるほうが鳥の目につきやすいという子孫繁栄のための戦略なのだろう。 糸はいつできるのか。試しに袋果が割れたばかりの実をそっと指で引っ張ってみたら、すーっと糸をひく。早い段階から 実はヒモ付きのようである。

プチ花?図鑑 vol.46「ブナ」11/6更新

地元秋田県は、雪深い地域がら実に伸びやかなブナの森がある。ブナは灰色のきめの細かい樹皮が特徴の落葉高木だ。 雌雄同株で、春には雄花と雌花が見られる。雌花は上を向いて咲き、一方雄花はふさふさとした毛に覆われて 下にぶら下がるようにして咲く。この写真は雌花。赤い雌しべが見える。そして今の季節は実となって 地面にある。食べてみるとヒマワリの種のような味がする。高タンパクで山の動物達の貴重な食糧だ。 昨年はブナの実の当たり年だったが、今年はどうやらイマイチである。 山の生物と里の者との互いに不幸な遭遇がないことを祈らずにはいられない。

プチ花?図鑑 vol.47「アカチシオタケ」11/13更新

広葉樹の苔むした倒木などでよく見かける。直径3センチ前後の小さなキノコだが 複数個出ているので見つけやすい。キノコの命名の仕方は、名は体を表すそのもので、その姿形の特徴がそのまま名前に組み込まれている場合が多い。 さて、このアカチシオタケ、その名の由来は、傘の部分を傷つけると、その部分からまるで血のような赤い液体が染み出てくることに由来する。 うっかり登山道でこのキノコを登山靴が擦ってしまい、あ!と振り返ると、そこには血を流した アカチシオタケがじっと佇んでいる。本当にすまない気持ちにさせられる。

プチモフモフ図鑑vol.48 「ニホンアナグマ」11/20更新

山中や山里でときどき遭遇する。タヌキに似た雰囲気だがこちらはネコ目イタチ科で全然違う種だ。聞いた話ではタヌキよりも 旨いらしい。天敵としてはオオカミや人間が挙げられているのだが、そのわりに彼らの 人への警戒心はツキノワグマなどに比べると、たいそう大雑把だ。山里の道ばたなどでは、クルマが来ようがその姿を写メされようが 一心不乱に何かを食べていたり、登山口では、いそいそモフモフと山から下りてきてこちらをガン見したり、 またある時は登山道を爆走して人とぶつかりそうになったりと、少なくとも私が遭遇した彼らは一様に、警戒心のツメが甘い傾向にあるのだ。

モフモフ図鑑vol.49「ニホンカモシカ」11/28更新

南昌山の急な岩コースを登っているとき、ニホンカモシカが真上の岩の上に現れた。こうした野生との遭遇には気持ちがときめく。だがしかし、なんとそのカモシカは頭上から石を落としてきた。威嚇かそれとも人の反応に興味があったのか知らない。 名前はシカだけれどウシ科。ウシらしく食後は数時間かけて反芻する。また好奇心が強いらしく、山仕事などしていると何時間もずっと眺めていることもあるそうだ。ヒマなのか思ったが、反芻中で他にすることがなかっただけかもしれない。つまりヒマなのか?

モフモフ図鑑vol.50「ツキノワグマ」12/12更新

辺鄙な山を歩いていたら、数メートル斜め後ろの薮の中から、一定の間合いを保ってピシッピシッと小枝を踏む音がしばらく付いて来たことがある。 「クマだよ」と教えられ、あの薮をガサゴソ言わさずに歩くとはと感心した。厚い肉球があるので歩くときにはほとんど音は立てない。しかし好奇心旺盛らしく なかにはこうして、人を観察するクマもいるようだ。ツキノワグマはネコ目クマ科。なるほどネコだなと思った。 岩手など、積雪の少ない山を歩くとあまりクマの気配がしないものだが、秋田の山はそこかしこに木登りの爪痕や、熊棚、遊ばれてぼろぼろになった標柱を見ることができる。

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